セラピストにむけた情報発信



小・中規模な国際学会の魅力



2008年8月8日

国際学会の規模は多種多様です.

規模の大きい学会に参加すると,多分野の研究者が一堂に会するため,それはそれで魅力的です.しかし,結果として自分の関心ある発表が少なかったり,並列的に非常に多くの発表がなされるため,興味ある発表が重なってしまうといったケースもあります.規模が大きいほど満足度が高い,ということには必ずしもなりません.外国人研究者との直接的な交流がポスター発表のみに限られてしまい,終わって見たら日本人の友人とばかり話をしていた...ということも,ないわけではありません.

このようなご経験をお持ちの方々には,小・中規模の国際学会参加をお薦めいたします.

自分が本当に興味のある専門集団が集まる小・中規模の学会を見つけることができれば,充実した情報収集や,英語での交流が期待できます.小規模の学会では,参加者の全日参加を想定しているものもあります.その場合,食事や観光まで参加者全員となるため,偶然隣に座った研究者とのコミュニケーションが,生涯にわたって良い関係を築くきっかけとなった,というケースも決して珍しくはありません.


以下,私自身が参加経験に基づき,小・中規模のお薦め学会をご紹介したします.いずれも2年に1回のペースで開催されます.

1.International Society of Posture and Gait Research(ISPGR)

歩行と姿勢制御に関する学会です.リハビリ領域の研究者も数多く集まります.
次回は来年7月にイタリアのボローニャで開催されます.2011年は日本の秋田で開催されることが決定しております.

2.International Conference of Perception and Action(ICPA)

アフォーダンスなどの問題を扱う,生態心理学会の学会です.
口頭発表は1つの会場でおこなわれるため,全参加者が同じ場所で議論します.
次回は来年7月にアメリカのミネソタで開催されます.
僭越ながら,ミネソタの学会のScientific Committeeとして,一部運営に携わる予定です.

3.Motor Controland Human Skill Conference

オーストラリアの研究者を中心に,質の高い研究者が集まる研究会です.
次回は来年の1月末にタスマニアで開催されます.やはり口頭発表は1つの会場で全員参加で進行します.発表された内容が,雑誌,Human Movement Scienceに特集号として組まれるため,国際誌への論文投稿を考えているデータの発表にも適しています.


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